今日のキレイを明日の希望に「プラチナメーク&フォトプログラム」ご報告|ティール&ホワイトリボン

プログラムの目的

ティール&ホワイトリボンプロジェクト(以下TWR)が支援する子宮頸がんほか、がんと向き合う女性は、治療や治療に伴う副作用、生活の調整等のさまざまな困難に直面することにより、女性であれば誰もが望む「いつまでもキレイでいたい」との気持ちを持つ余裕が低減したり、望みをもっても、実践できる機会を失ってしまうことが少なくありません。とくにがんが再発・進行中の女性にとっては、自身の美しい姿を客観的に認識し、写真として記録しておくことは、本人だけでなく、家族・友人等にとっても重要な意味を持ちます。

いっぽうでメークは、がん体験者の気持ちを明るくポジティブにする効果があると報告されています。そこで、TWRを支援する株式会社ポーラの協力を得て、本プログラムを通して、女性がん体験者へ、メークを実施し、美しい状態を写真に記録するパイロットプログラムを企画しました。

開催日時 : 2013年6月17日(月) 14:00-18:30
メーク場所: ポーラザビューティー銀座店
撮影場所 : ホテルモントレ・ ラ・スール銀座
■レクチャー 「がん患者のキレイのために」 山崎多賀子(美容ジャーナリスト・乳がん体験者) 
■ポートレート用メーク実践
 荻野和子さん(ポーラ アンチエイジング美容研究室・フェアリー ジャパン POLA専属美容コーチ)
 山崎多賀子さん(美容ジャーナリスト・乳がん体験者)
■写真撮影  カメラマン:村山良さん、ヘア:HIJIRIさん
ポーラザビューティー銀座店

実施に協力くださったポーラ ザ ビューティー銀座店。当日を含め6月10日~30日まで、ティール&リボンカラーのイルミネーションで応援してくださいました。

参加した皆さま

K.Oさん

K.Oさん

治療が終わってから、自分の顔が変わってしまっていることに気がつきました。一気に老けて、疲れきっていて元気の無い顔です。過酷な治療はこんなにも顔を変えてしまったのかとショックでした。

でも、メークをすると元気そうに見える、すると気持ちも少し元気になる。それが嬉しくて毎日メークをするようになりました。

面倒に思うときもあるけれど、自分のため、自分が気持ち良くいられるためにメークをします。メークにはそういう力があることを、このプログラムに参加して、改めて強く実感しました。

メークばかりでなく、ファッションやアロマやエステ、マッサージなどさまざまな方面で、婦人科がんに罹患した女性に向けたものが開発されて、後遺症に悩む、あるいは不安を抱えている女性の助けになってほしいと切に願います。

平形さん

平形さん

今回のメーク&撮影は今後病気と闘って行く上でとても励みになる時間でした。初めての付け睫(つけまつげ)もキレイになる喜びを思い出させてくれました。

どうしても…治療の事で目一杯になってしまいキレイを意識する事がなくなってしまっていました。

治療中でも身だしなみをちゃんとすると社会の中に戻れた気持ちになれます。

写真もどうしても自分で遺影は準備しておきたかったので…最期の準備が出来て心の荷物が一つ減りました。

最期の準備をしておけば今を精一杯生きられます。

ありがとうございました。

柴田さん

柴田さん

自分が健康な時は、自分が亡くなった後の遺影のことを考えたりしませんが死と向き合った経験があり、今後も再発の恐れを抱えて生きているとふと自分の遺影が気になったりします。いざと言う時に、家族があたふたしなくても済むように自分の気に入った写真が残せて本当に良かったと思います。

自分にこんなに生き生きした表情の写真があると言う事が次のステップに進むはりにもなって来ます。

多くのスタッフの方々が盛り上げて下さったのもモチベーションが上がって元気な表情になったのかなと思っております。このプログラムに参加できたことが自信になり、さらに元気が出たように思います。

今後、このプログラムに多くの方が参加でき前に進む力になってくれたらと思います。ただ、時間がどうしても長くなるので気力体力が戻っている方でないとつらいかもしれません。気持ちが臆病になっている時に華やかな場に出ていくことに抵抗のある方もいると思います。でも出来ればそのような人にこそ、この様なプログラムが大事なのかもしれません。

C.Aさん

C.Aさん

プロの方にメークをしていただき、プロカメラマンに写真を撮っていただく機会など無いと思っていたので、とても貴重な体験をさせていただいたと思っています。 お陰様で病気発覚後、一番気持ちが華やいだ一日になりました。メーク前に山崎さんよりメークの仕方(眉の書き方やチークの入れ方)により表情が違って見えるのだという事をスライドを使って分かりやすく説明していただき、元気に見えるメークのコツを教えていただき大変参考になりました。

抗がん剤治療により一番辛かったのが、副作用より脱毛でした。ウイッグである事に気付かれるのが嫌で、眉毛や睫毛の無い顔で人相も変わった自分を見られたくなくて、外出を控え人目を避けていた頃を思い出しました。

この企画を通し、がんになって抗がん剤治療をしていても綺麗になれる、輝けるんだという事を現在治療中の方々に是非知って欲しいと思いました。患者さん向けのメークのポイントを掲載したサイトや冊子が病院などにあると皆さん参考になると思います。

がん治療中でも体調が良い時にはメークをしてどんどん外に出る事で気持ちが元気に、前向きになれるんだと改めて感じました。

当日の様子

スタッフ紹介

講義・メーク担当 山崎多賀子さん

講義・メーク担当 山崎多賀子さん

「キレイは生きる力になる」

これは乳がん治療によって、重病人の風貌になった経験のある私の実感でした。闘病中、自分らしく前向きでいたくても、自分に自信がないとそういうものは生まれてきません。とくに女性にとって外見の自信は大切です。

今回のイベントでメークを担当させていただきましたが、メークが進むにつれ、伏し目がちの瞳にキラリと光が宿り、あごの角度が上がり、仕上がるころには心からの笑顔が湧き出す。その表情の魅力的なことったら!そこにいるのは患者ではなく、美しく輝くふつうの女性です。

キレイという自信で、ちょっぴりあごの角度が上がり、前を向く。それだけで見える世界も全然違ってきます。確かなことは、今、人生は続いているということ。その人生のなかで、魅力的な自分を写真におさめることは、自身への力強いエールになるのだと、今回改めて思いました。この活動に関わられたことに感謝します。

メーク担当 荻野和子さん

メーク担当 荻野和子さん

がんの治療を受けていらっしゃる方へのメークは初めての経験だったので、事前にいただいた資料(がんを経験された方の気持ちについて、肌の状態、肌・メークの悩みについて等の資料)を読み込み当日に備えました。

実際にメークをさせていただき、「キレイになる」ということが女性にとって元気の源になるんだなぁと再認識。記念写真の撮影のときには皆さんがキラキラと輝いていたのが印象的でした。

山あり谷ありの女の一生。いつも笑顔でいたいけれど、そうできないときもある。でも、女性には「スキンケア」や「メーク」という心強い友達がいる。「キレイ」になることが、一歩踏み出す勇気をくれる。

自分らしく生きるために「美容」ができることはまだまだあるのだと改めて感じました。参加者の方々にそれを教えていただきました。

このような機会を与えていただいたことに感謝しております。ありがとうございました。

カメラマン 村山良さん

カメラマン 村山良さん

今回このプログラムに参加させて頂き、誠にありがとうございました。

撮影が始まる前、メークを終えたばかりのモデルの皆様とお会いしたとき、すでに明るく生き生きとした表情をされていたのがとても印象的で、改めて「メークの力」を感じました。

またその姿を撮影させて頂いたことで、今度は逆にその写真たちが、「モデルの皆様を明るく生き生きとさせ続ける力」を持つことができたのであれば、とても光栄に思います。

このプログラムを通し、少しでも皆様の支えになることができれば、心から嬉しく思います。

ヘアセット担当 HIJIRIさん

ヘアセット担当 HIJIRIさん

今回のプログラムでは撮影時のヘアを担当致しました。このような素敵な企画にお誘い頂きありがとうございます。

カメラ前では少々緊張されている方もおられましたが、皆様とても楽しそうで「この感覚を忘れていた」と笑顔でおっしゃられていたことが印象的でした。お気に入りの服に身を包み、メークアップして、髪を整え…しばらく封印していた「お洒落を楽しむ」という気持ちを取り戻したかのように、キラキラ輝いておられました。

「プラチナメーク&フォト」は心の開放のきっかけになるとても意義のあるプログラムだと思います。ワクワクドキドキするような楽しい時間を過ごし、さらにその姿を写真に記録すことにより、自分でもその変化を客観的に見る事ができます。女性にとって『お洒落を楽しむ』ことが『心身の健康』に大きな効果をもたらすことを実感して頂けたのではないでしょうか。

この活動が身を結び、素敵な笑顔が広がることを願っております。またそのお手伝いができたら嬉しく思います。

プログラムを終えて

がんと向き合う女性たちが、いままで大好きだった買い物やエステに気軽に出かけられなくなってしまったり、メーク・おしゃれして外出する機会が減ってしまいがちであることを、私たちは、患者支援活動を通して見聞きします。

今回、参加された方やスタッフの誰もが、改めてメークの持つちからを実感しました。参加された皆さんのワクワク・ドキドキは写真にしっかりと記録されています。この写真は、彼女たちにとって日々を生きる糧になることでしょう。

がん患者であっても、女性であること、その人であることには、本来、変わりはないはずです。私たちは、がんと向き合う女性が、がんや治療で心身の変化があっても、日常生活を楽しめるよう、キッカケをつくるとともに、そんな女性たちを、温かく後押しし、支えられる「がん体験者・バリアフリー」な社会やサービスも育っていくといいな、と考えています。

ご協力いただいた株式会社ポーラ様には心より感謝申し上げます。このイベントを機に、がんと向き合う女性たちがもっと輝けるように、これから私たちにできることについて引き続き考えていきたいと思います。

ティール&ホワイトリボンプロジェクト担当:川上祥子

メディア掲載履歴

● 2013年7月3日日本経済新聞夕刊に、本プログラムの記事が掲載されました。

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